

被相続人の生前に、多額の援助を受けた者が相続分どおりに遺産を分けると他の相続人よりも、もらい過ぎのように思えます。
また、被相続人の介護などを積極的に行った者は、遺産を追加してあげないと不公平に思えませんか。
このような不公平を是正するためにあるのが寄与分と特別受益といわれる制度です。
特別受益とは、特定の相続人が被相続人から婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として生前贈与や遺贈を受けているときの特別の利益のことをいいます。(民法1044条・903条)
特別受益を受けている相続人がいる場合、その受益分を考慮して相続分を計算することになります。
具体的には、特別受益に該当する一部の相続人が受けた生前の贈与を遺産の前渡しとみなし、その贈与を相続時の財産に加えた上で各相続人の相続分を計算することになります。
特別受益を受けていた相続人の相続分が、既に受けている特別受益の額に満たない場合、その相続人が相続時に受け取る遺産は存在しないことになります。

子が三人いて相続財産が3,000万円としましょう。

特別受益が誰にもなければ一人あたりの相続分は1,000万円です。


長男に特別受益1,000万円があったとすると、次のようになります。
まず3,000万円に特別受益1,000万円を加算します。つまり長男の特別受益分がなければ、その特別受益1,000万円は親の財産に残っていたはずだと考えて加算するのです。

この4,000万円を3人で分けて、一人当たり1,333万円となります。

長男は生前に受けた特別受益額1,000万円をここから差し引きます。

結果、一人当たりの相続分は次のようになります。
